日本大百科全書(ニッポニカ) 「シタツンガ」の意味・わかりやすい解説
シタツンガ
したつんが
sitatunga
[学] Tragelaphus spekei
哺乳(ほにゅう)綱偶蹄(ぐうてい)目ウシ科の動物。アフリカ中央部に分布し、水辺のアシやパピルスの茂み、または湖沼の多い森林にすむ。肩高1~1.15メートル、体重90~125キログラムに達する。角(つの)は雄だけにあり、長さ50~70センチメートルで竪琴(たてごと)形。体は茶色ないし灰茶色。ひづめは長く幅広で、沼地を歩くのに適する。普通は単独か、つがいで生活し、夜行性でアシの若葉や水生植物のほか、木の葉や果実などを食べる。敵に襲われると水中に避難する。妊娠期間は約8か月で、1産1子を6、7月に産むことが多い。子は、水面に出ているアシの浮き島に産み落とされるという。
[今泉忠明]