シミ類(読み)シミるい(その他表記)Thysanura; silverfish

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シミ類」の意味・わかりやすい解説

シミ類
シミるい
Thysanura; silverfish

シミ目に属する昆虫総称。総尾類ともいう。無翅類の1つ。シミ目は小型の昆虫で,体は扁平で後方にせばまり,軟らかい。一般に白色ないし灰色で,全体が銀白色の鱗片におおわれる。咀嚼型の口器は裸出している。眼は少数の個眼の集ったもので,大部分のものには単眼がない。肢は短いがよく発達し,6節から成る。中肢後肢の基節に基節板がない。腹部は 10節から成るが腹端に1本の尾毛があり,これは腹部第 11節と考えられる。この尾毛の左右にやや短い尾角がある。マルピーギ管は4~8本,気管系は発達している。一般に屋外性である。家屋内に多くみられるのはシミ科 Lepismatidaeのヤマトシミ Ctenolepisma villosa体長8~10mm,触角は体長の約3分の2。全体が銀白色の鱗片におおわれる。乾燥した場所にすみ,紙類などを好んで食べ,きわめて敏捷に物陰に逃れる。日本全土,台湾,中国などに広く分布する。マダラシミ Thermobia domesticaは体長 10mm内外,灰白色ないし黒褐色の鱗片がまだらに散布している。触角は体よりやや短い。小麦粉,パンなどの害虫で,世界の温帯に普通である。日本での記録は少い。 (→昆虫類 )  

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