何程(読み)どれほど

精選版 日本国語大辞典 「何程」の意味・読み・例文・類語

どれ‐ほど【何程】

〘名〙
① 数・量・程度価値などを疑い問う意を表わす。どのくらい。いかばかり。いかほど。なにほど。
咄本高笑ひ(1776)虚空「御月さまはそばで見たら、どれほど有らうの」
② 数・量・程度・価値などが限度のわからないほど多い意を表わす。多く副詞的に用いる。どんなにたくさん。いかほど。
古今集遠鏡(1793)五「すれやどれほど思ふたとてあはれることではないに」
③ (下に打消の語を伴って) たいしたことのない意を表わすのに用いる。なにほど。
安愚楽鍋(1871‐72)〈仮名垣魯文〉二「騰貴(たかい)とて如何程(ドレホド)のこともない」

なに‐ほど【何程】

〘名〙 (副詞的にも用いる)
① (形動) 程度の不明なさまを表わす。どれくらい。どの程度。
※虎明本狂言・北条(室町末‐近世初)「何ほどな太こでおりゃったぞ」
② 限定せずに、程度の高いさまを示す。どんなに。いかに。
狂言記・貰聟(1660)「なにほどそのやうにほえたとても、いなす事ではないぞ」
③ (反語表現に用いて) 問題にならない程度だ、とるにたらないという気持を表わす。どれほど。
平家(13C前)八「思ふに何程の事かあるべき」

なん‐ほど【何程】

〘副〙 「なにほど(何程)」の変化した語。
※漢書列伝竺桃抄(1458‐60)文三王第一七「仮令なんほとの事かあらうぞ」

どら‐ほど【何程】

〘副〙 「どれほど(何程)」の変化した語。
浄瑠璃極彩色娘扇(1760)二「又どら程嬉しうござりますへ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「何程」の意味・読み・例文・類語

なに‐ほど【何程】

(副詞的にも用いる)
どれほど。どのくらい。数量・程度についての疑問を表す。「資金何程必要ですか」
どんなに。いかに。程度の不定を表すことにより、その甚だしさを示す。「会うことを何程楽しみにしていたことか」
反語の表現に用いて、とるにたりないの意を表す。
仮令たとえ一発二発の鉄砲丸に当たっても―の事あるべき」〈円朝怪談牡丹灯籠
[類語]さしもあれほどあんなかばかりこれほどそれほどさほどさのみさまでどれほどいかほどそれくらいこのくらいこれくらいこればかりこれっぽっちこれきりこれっきりこれだけこれしきそれしき満更まんざら必ずしもあながち一概にさしてさしたるそんなそのようそうしたそういうさようさもさもさもそうしかあまり大してなかなか取り立てて別段

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