改訂新版 世界大百科事典 「シャクケイ」の意味・わかりやすい解説
シャクケイ (舎久鶏)
guan
chachalacos
キジ目ホウカンチョウ科の鳥のうち,体がホウカンチョウ類よりも細長く,樹上性の強いグループの総称。6属31種があり,ヒメシャクケイ属Ortalis 9種,シャクケイ属Penelope15種,ナキシャクケイ属Aburria3種,カマバネシャクケイ属Chamaepetes 2種,クロヒメシャクケイ属Penelopina 1種,ツノシャクケイ属Oreophasis 1種である。メキシコ以南の中央・南アメリカに分布し,羽色の淡い種が多く,樹上で果実を採餌することが多く,樹上に巣をつくり,地上に降りることの少ない種もある。シャクケイ類の代表種チャバネシャクケイPenelope superciliarisは,体長約60cmで尾が長く,全身が褐色のじみな羽色をもち,顔の部分が裸出して青色,のども裸出して赤色である。アマゾン以南のブラジルからアルゼンチン北部の森林地帯に生息し,おもに森林の樹冠部で生活している。非繁殖期には群れとなって生活し,100羽以上の群れも見られる。長い距離を飛ぶことがなく,したがってほとんど移動せず,すんでいる森林から出ることはない。しゃがれた鳴声は大きく,森中に響きわたる。木の果実や昆虫類を主食としている。巣はホウカンチョウ科の鳥の特徴として,樹上に枯れ枝や生木の小枝で,雑な巣がつくられ,1腹の卵数は2,3個で,卵は白色である。
メキシコに生息するムジヒメシャクケイOrtalis vetulaの英名はchachalaca(チャチャラカ)といい,その鳴声によってつけられた。小さな群れで樹上生活し,巣は3,4mの高さの樹上に小枝や葉を使ってつくる。1腹の卵数は3個で,色は白く,雌のみが約3週間抱卵する。
執筆者:柿沢 亮三
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報