シャフリ・ソフタ遺跡(読み)シャフリ・ソフタいせき(英語表記)Shahr-i Sokhta

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シャフリ・ソフタ遺跡」の意味・わかりやすい解説

シャフリ・ソフタ遺跡
シャフリ・ソフタいせき
Shahr-i Sokhta

イラン東部,シースターン地方のザーボル南部にある青銅器時代の遺跡。イタリア中極東古文化研究所が 1967年から調査を行ない,4期にわたる大集落址を明らかにした。シャフリ・ソフタはペルシア語で「焼失の町」の意で,第4期の建物は文字どおり火災を受けたものであった。残された壁は高さ 3mに達し,梁材やむしろも炭化して残っていた。また杵を握ったままの男性の焼死体も発見され,猛火により瞬時のうちに廃墟と化したことが指摘されている。第1期の層からチグリス川ユーフラテス川地方の原文字期のものに似たタイプの 3個の印章が発見され,遺跡の開始は前3000年前後とされる。ラピス・ラズリアラバスター砂岩紅玉髄・緑玉髄(→玉髄),トルコ石でつくられた装身具,容器やその石くずが大量に発見されるところから,メソポタミアやその他の地域への製作供給地だったとも推測される。2014年世界遺産の文化遺産に登録された。

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