シャーロットタウン憲法協定(読み)シャーロットタウンけんぽうきょうてい(英語表記)Charlottetown accord

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

シャーロットタウン憲法協定
シャーロットタウンけんぽうきょうてい
Charlottetown accord

カナダにおいて連邦・州首相会議が 1992年8月に合意した憲法改正案。ケベック州の分離主義を抑え,西部諸州の不満を吸収して,連邦体制の維持を目指そうとするもので,(1) 国家の基本的価値と特性とを記したカナダ条項の挿入,(2) ケベック州の独特な社会 distinct societyとしての認知,(3) 各州における英語あるいはフランス語少数言語集団の保護,(4) 州権の強化 (拒否権付与と州管轄領域の拡大) ,(5) 固有の権利としての先住民自治の承認 (連邦政府と州政府の2つに加えうる第3の政府としての先住民政府の創立) ,(6) 上院の改革 (各州に6議席,准州には1議席を配分し,選挙制とする) と下院の州定数配分の是正 (総議席数増,およびケベック州への総議席数の 25%の保証) ,(7) 州間障壁の除去と統一経済市場の実現,(8) 連邦・州首相会議 FMCと最高裁判所の憲法規定化,などをその内容とした。基本的には,批准せずに終った 87年の改憲合意 (→ミーチ湖憲法協定 ) を大筋でカバーし,さらに批准の障害となった諸問題への対策を盛込んだ内容となっていた。しかし同年 10月国民投票の結果反対派が多数を占めたため,批准にはいたらなかった。 (→ケベック問題 )

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