改訂新版 世界大百科事典 「シュノンソー」の意味・わかりやすい解説
シュノンソー
Chenonceaux
フランス中部,アンドル・エ・ロアール県の小村で,ロアール川の支流シェール河畔に位置する。ロアール河畔の城館中屈指の名城シュノンソーの城館Château de Chenonceauがあることで知られる。この城館は,フランソア1世の徴税吏トマ・ボイエが1515年から22年にかけて造営した本館部を基に,アンリ2世の寵姫ディアーヌ・ド・ポアティエが橋を付け加え,さらに,その後ショーモン城と引替えにこの城を手中に収めたカトリーヌ・ド・メディシスが橋の上に2層のギャラリーを造営して,ほぼ現在の姿をとるにいたった。大革命の際,時の城主デュパン夫人の人徳のおかげで破壊を免れたという。現在はムーニエ家の私有財産だが,有料で公開されている。
執筆者:稲生 永
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報