ショパン国際ピアノ・コンクール(読み)しょぱんこくさいぴあのこんくーる(その他表記)International Frederick Chopin Piano Competition

共同通信ニュース用語解説 の解説

ショパン国際ピアノ・コンクール

ピアノ詩人」と呼ばれるショパンの曲だけで競われる若手ピアニストコンクールで、ショパンの祖国ポーランドで開催。予備予選、第1~3次予選、本選の5段階で、エチュードポロネーズソナタオーケストラとの協奏曲などを演奏し、審査員は過去の入賞者らが務める。日本の最高位内田光子うちだ・みつこさんの2位で、中村紘子なかむら・ひろこさん、小山実稚恵こやま・みちえさんらが入賞している。18回目の今回は世界各地の87人が予備予選を通過、日本は14人だった。(共同)

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日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ショパン国際ピアノ・コンクール
しょぱんこくさいぴあのこんくーる
International Frederick Chopin Piano Competition

ショパンの生地に近いポーランドのワルシャワで5年に一度催されるコンクール。1927年に第1回が催され、その後第二次世界大戦による休止を挟みつつ続けられ、2000年に第14回が開催された。世界でもっとも難関のピアノ・コンクールとされ、ソ連オボーリン(第1回)、ポーランドのチェルニー・ステファニスカ(第4回)、ポーランドのA・ハラシェビチ(第5回)、イタリアポリーニ(第6回)、アルゼンチンアルヘリッチ(第7回)、アメリカのオールソン(第8回)、ポーランドのツィマーマン(第9回)、ベトナムのダン・タイ・ソン(第10回)、ロシアのスタニスラフ・ブーニン(第11回)ら過去の優勝者は、ほとんど例外なく世界的なピアニストとして活躍している。第12、13回は1位に該当者がなく、第14回コンクールでは中国のユンディ・リ(李雲迪)が優勝した。日本人では、中村紘子(ひろこ)(第7回、4位)、内田光子(みつこ)(第8回、2位)、海老彰子(えびあきこ)(第10回、5位)、小山実稚恵(こやまみちえ)(第11回、4位)、横山幸雄(ゆきお)(第12回、3位)、佐藤美香(みか)(第14回、6位)らが入賞している。また、第14回コンクールで梯剛之(かけはしたけし)がワルシャワ市長賞を受賞した。

[美山良夫]

『イェージー・ヴァルドルフ著、足達和子訳『ものがたりショパン・コンクール』(1988・音楽之友社)』『横山幸雄著『いま、ピアニスト――ショパンとともに』(1996・ショパン)』『ショパン編集部編・刊『世界の音楽コンクール全ガイド』隔年版』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

知恵蔵 の解説

ショパン国際ピアノコンクール

5年に1度、フレデリック・ショパンの命日である10月17日の前後3週間にわたって開催される、ショパンの曲のみを演奏するピアノコンクール。ショパンの誕生地、ポーランドのワルシャワにある、国立フィルハーモニーで開かれる。世界的に優れたレベルの演奏家の発掘と育成を目的としており、エリザベート王妃国際音楽コンクール、チャイコフスキー国際コンクールとあわせて世界3大ピアノコンクールと言われる、権威あるコンクールの一つ。
1925年、ワルシャワ音楽協会で活動していたショパン音楽院教授イェジ・ジュラブレフが、開催を申し出たことが始まり。27年にショパンを記念して創始され、現在、2005年の第15回まで開催されている。1937年に第3回が行われたあと、第2次世界大戦のため一時中断されるが、49年に再開。55年(第5回)からは、5年ごとに行われている。
第1回目の優勝者はソ連のオボーリン。他、ポーランドのチェルニー・ステファニスカ(第4回)、イタリアのマウリツィオ・ポリーニ(第6回)、ロシアのスタニスラフ・ブーニン(第11回)などが優勝しており、過去の優勝者のほとんどが、世界的なピアニストとして活躍している。日本人では優勝者はおらず、初の入賞者が田中希代子(第5回・10位)。入賞者は他に中村紘子(第7回・4位)、内田光子(第8回・2位)、横山幸雄(第12回・3位)、佐藤美香(第14回・6位)などがいる。また、第14回で梯剛之がワルシャワ市長賞を受賞している。

(富岡亜紀子 ライター / 2009年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

世界大百科事典(旧版)内のショパン国際ピアノ・コンクールの言及

【音楽コンクール】より

…コンクールの入賞者たちが大きく育っていけば,そのコンクールの名声が裏付けられてくるのである。こうした実績面からみると,チャイコフスキー国際音楽コンクールエリーザベト王妃国際音楽コンクールミュンヘン国際音楽コンクールジュネーブ国際音楽コンクール,ショパン国際ピアノ・コンクール(ポーランド,1927創設)などが群を抜いている。【成沢 玲子】。…

【ポーランド音楽】より

…とくにシマノフスキは民族的な現代音楽の創造者として音楽史上不滅の地位を築いた。1918年独立後のポーランドでは,音楽活動も活発になり,27年にショパン国際ピアノ・コンクール,35年にビエニアフスキ国際バイオリン・コンクールも組織された。K.シコルスキ,P.ペルコフスキ,G.バツェビチらの作曲家が進出し,ピアノ奏者のA.ミハウォフスキ,J.K.ホフマン,パデレフスキ,Z.ジェビェツキ,バイオリン奏者のB.フーベルマン,P.コハンスキ,H.シェリング,〈ワルシャワ・フィルハーモニー管弦楽団〉の創立(1901)に尽くした指揮者のムイナルスキEmil Młynarski(1870‐1935),アメリカに帰化したA.ロジンスキらが内外で活躍した。…

※「ショパン国際ピアノ・コンクール」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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