日本大百科全書(ニッポニカ) 「ポリーニ」の意味・わかりやすい解説
ポリーニ
ぽりーに
Maurizio Pollini
(1942―2024)
イタリアのピアノ奏者。20世紀末を代表する大ピアノ奏者の一人。生地ミラノの音楽院で学び、1958年ジュネーブ国際音楽コンクール第2位、1960年ショパン国際ピアノ・コンクール第1位となる。短い演奏活動ののちふたたび練習生活に戻り、ミケランジェリ、ルービンシュタインに師事、その間指揮法も学んだ。1968年再デビュー、第二次世界大戦後に世に出た若い世代の代表的なピアノ奏者の一人と評価され、注目を集める。1974年(昭和49)初来日。レパートリーは広く、とくにベートーベン、ショパン、シューマン、20世紀音楽を得意とした。
分析的・客観的な演奏であるが、情念の不足を感じさせることはない。指揮活動にも力を入れ、ロッシーニのオペラの解釈に新風を吹き込み、高く評価されている。
[岩井宏之]
『『ONTOMO CD BOOK アーティスト・シリーズ5 マウリツィオ・ポリーニ』(1991・音楽之友社)』▽『青沢唯夫著『名ピアニストの世界』(1991・春秋社)』▽『堀内修著『クラシック不滅の名演奏』(2000・講談社)』▽『吉田秀和著『吉田秀和作曲家論集3 ショパン』(2001・音楽之友社)』▽『吉田秀和著『吉田秀和作曲家論集4 シューマン』(2002・音楽之友社)』▽『浅田彰著『ヘルメスの音楽』(ちくま学芸文庫)』