最新 地学事典 「シリカ飽和度」の解説
シリカほうわど
シリカ飽和度
degree of silica-saturation
石英に関する相平衡関係を基準とする火成岩分類の尺度。H.Abich(1841)によって岩石学に導入され,S.J.Shand(1915)が強調した。石英をもつ岩石を過飽和岩,石英も不飽和鉱物ももたないが飽和鉱物をもつ岩石を飽和岩,不飽和鉱物からなる岩石を不飽和岩に分類した。飽和鉱物とは石英と共存できる鉱物で,長石・輝石・角閃石・黒雲母・電気石・ファヤライト・Mn-Feざくろ石・鉄鉱など。不飽和鉱物とは石英と共存できない鉱物で,準長石・苦土かんらん石・Mgざくろ石・メリライト・コランダム・方解石・スピネルなど。W.Q.Kennedy(1933)は,結晶分化作用によって不飽和な岩石を生じるかシリカに過飽和な岩石を生じるかは,本源玄武岩マグマが,かんらん石玄武岩マグマ型(ノルムにかんらん石と少量のかすみ石を含む)かソレアイトマグマ型(ノルムにハイパーシンや石英を含み,かんらん石を含むこともある)かに大きく依存するという説を提唱した。このような本源マグマと結晶分化作用の関係について,H.S.Jr.Yoder et al.(1962)は,玄武岩をノルムのDi(透輝石)-Ne(かすみ石)-Ol(かんらん石)-Q(石英)四面体上で分類し,ノルム石英の算出される岩石をソレアイト,ノルムかすみ石が算出される岩石をアルカリ玄武岩,ノルム石英・準長石とも算出されず,かんらん石とハイパーシンが一緒に算出される岩石をかんらん石ソレアイトと呼び,それぞれ,シリカに過飽和な玄武岩,シリカに不飽和な玄武岩,シリカに飽和した玄武岩と定義して,その結晶作用の経路について,実験岩石学的なデータを用いて論じた。
執筆者:端山 好和・藤林 紀枝
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

