改訂新版 世界大百科事典 「シルウェステル1世」の意味・わかりやすい解説
シルウェステル[1世]
SilvesterⅠ
生没年:?-335
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…音楽の演奏,理論,作曲,教育,音楽学などを教育,研究するための社会的機関をいう。その源流は,4世紀に教皇シルウェステル1世によりローマ教会用の聖歌要員養成機関として設立されたスコラ・カントルム(聖歌学校)にまでさかのぼることができるが,近代的な意味での音楽学校の元祖は,ベネチアの〈オスペダーレospedale(病院)〉であるとされている。すなわち,病院の付属機関として,ピエタ慈善院Ospedale della Pietà(1346)などが設立され,音楽の才能のある女子に対して教育が行われたのである。…
…作成の事情に関しては異見が多く,ピピン3世の754年のローマ教会への寄進に関連して,または800年のカール大帝の戴冠を正当化するためにローマで作成されたとする説が有力であるが,9世紀前半フランク王国成立説もある。内容は,コンスタンティヌス1世(大帝)が癩病を時のローマ司教シルウェステル1世(在位314‐35)の洗礼によって治癒してもらったことに感謝して,ローマ司教とその後継者がアンティオキア,アレクサンドリア,コンスタンティノープル,エルサレムの四主教座の上に支配権を有すること,またローマ市を含む全イタリア,西方属州,地区および都市をローマ司教の支配にゆだねることを述べており,教皇権の世俗権,皇帝権に対する優越を主張したものとされる。その偽書たることは15世紀にニコラウス・クサヌスおよび最終的にはバラによって論証された。…
※「シルウェステル1世」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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