シロセット加工(読み)シロセットカコウ(その他表記)siroset finish

デジタル大辞泉 「シロセット加工」の意味・読み・例文・類語

シロセット‐かこう【シロセット加工】

薬液による加工で、毛織物につけた折り目やひだに耐久性をもたせること。オーストラリアで開発された。

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精選版 日本国語大辞典 「シロセット加工」の意味・読み・例文・類語

シロセット‐かこう【シロセット加工】

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] siroset finish の訳語 ) 毛織物に永久的にひだ、折り目をつける加工。チオグリコール酸アンモニウム、モノエタノールアミンの亜硫酸塩などを用いて蒸気プレスする。ズボンスカートなどに使われる。オーストラリアで開発された。

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改訂新版 世界大百科事典 「シロセット加工」の意味・わかりやすい解説

シロセット加工 (シロセットかこう)
siroset finish

親水性の羊毛繊維からなる毛織物にアイロンで付けた折目は,雨にぬれたりすると簡単に消えてしまう。この欠点を除くために,オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)が発明した化学的な折目のセット法をシロセット加工という。チオグリコール酸アンモニウム水溶液を噴霧したズボンにホフマンプレスで折目を付けたり,プリーツ型紙とともに折りたたんだスカートをオートクレーブ中で蒸気処理することにより,耐久性のよいすじが固定される。毛髪に対するコールドパーマネントと同じ原理によるもので,羊毛のタンパク質であるケラチン中のシスチン架橋(-S-S-結合)が還元,切断される化学反応を応用している。羊毛工業では,工業用水中の鉄イオンによる発色を嫌い,現在では,チオグリコール酸アンモニウムの代りに,モノエタノールアミンの亜硫酸塩あるいは酸性亜硫酸塩を使っている。
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百科事典マイペディア 「シロセット加工」の意味・わかりやすい解説

シロセット加工【シロセットかこう】

羊毛製品のひだなどを固定,湿潤状態を経過しても消失しないようにする加工。浸透剤を加えた2〜4%のチオグリコール酸アンモニウム水溶液をズボン,プリーツスカートなどに噴霧,100〜120℃でホットプレスする。モノエタノールアミンの亜硫酸塩あるいは酸性亜硫酸塩で布地を処理,縫製後にプレスする方法もある。シロセット加工法はオーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)で開発され,その頭文字をとって〈シロセット(SI-RO-SET)〉と名付けられている。〈SI-RO-SET〉はTWC(ザ・ウールマーク・カンパニー)が管理する登録商標であり,日本ではTWCが委託している全国シロセット加工業協同組合が認可した事業者(組合員)および,本組合と契約を締結した企業(ドライクリーナーを含む)のみが実施できる加工法である。

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世界大百科事典(旧版)内のシロセット加工の言及

【プリーツ加工】より

…スカート,ブラウス,ズボン,飾りレースなどに,雨などで簡単にとれることのないひだ(プリーツ)を付ける加工。熱可塑性の合成繊維はヒートセットにより耐洗濯性のあるパーマネントプリーツが得られる。毛織物の場合はアイロン掛けでつけたひだは耐久性がない。オーストラリアの連邦科学産業機構(CSIRO)で開発されたシロセットSiroset加工は,毛織物を還元性セット剤の存在下で蒸熱してひだを与える方法であり,羊毛のシスチン残基のジスルフィド架橋結合が還元により切断され,その状態でひだの形がセットされるものである。…

※「シロセット加工」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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