改訂新版 世界大百科事典 「シーボルトミミズ」の意味・わかりやすい解説
シーボルトミミズ
Pheretima sieboldi
貧毛綱フトミミズ科の環形動物。大型な種類。P.F.vonシーボルトが日本で採集し,この標本をホーストR.Horstが1883年に発表した際にシーボルトに献名したものである。本州中部以南,四国,九州に分布し,山地に生息する。俗称ヤマミミズ。現在までの最大の個体は体長45cm,太さ1.5cm,43gである。濃い青黒色をしていて生殖時には第14~16体節に環帯が生ずる。環帯上には背孔や剛毛はない。雌性生殖孔は第14体節の腹面中央に,雄性生殖孔は第18体節の腹面両側に1対存在している。受精囊孔は3対あり,6と7,7と8,8と9の各体節間溝に開孔しているが,これは大きな特徴の一つである。83年に報告されてから約50年後に第2番目の個体が得られたというエピソードが残っている。
執筆者:今島 実
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報