ジフェニルヒドラジン(読み)じふぇにるひどらじん(その他表記)diphenylhydrazine

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ジフェニルヒドラジン」の意味・わかりやすい解説

ジフェニルヒドラジン
じふぇにるひどらじん
diphenylhydrazine

ヒドラジン誘導体。分子式C12H12N2、分子量184.2。2種の異性体がある。

(1)N,N'-ジフェニルヒドラジン ヒドラゾベンゼンともいう。無色結晶アゾベンゼン還元で得られる。酸化されてアゾベンゼンになりやすい。強力な還元剤によってアニリンを生じる。酸の作用ベンジジン転位をおこす。

(2)N,N-ジフェニルヒドラジン N-ニトロソジフェニルアミンの還元で生成する無色の結晶。水には難溶だが、エタノールエチルアルコール)、エーテルにはよく溶ける。濃硫酸に溶かすと深青色を呈する。塩酸塩は糖と反応させるための試薬となる。

[務台 潔]


ジフェニルヒドラジン(データノート)
じふぇにるひどらじんでーたのーと

N,N'-ジフェニルヒドラジン

 融点 131℃
 沸点 ―

N,N-ジフェニルヒドラジン

 融点 34.5℃
 沸点 220℃/40~50mmHg

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

2022年度から実施されている高校の現行学習指導要領で必修となった科目。実社会や実生活で必要となる国語力の育成を狙いとし、「話す・聞く」「書く」「読む」の3領域で思考力や表現力を育てる。教科書作りの...

現代の国語の用語解説を読む