日本大百科全書(ニッポニカ) 「ジフェニルヒドラジン」の意味・わかりやすい解説
ジフェニルヒドラジン
じふぇにるひどらじん
diphenylhydrazine
ヒドラジンの誘導体。分子式C12H12N2、分子量184.2。2種の異性体がある。
(1)N,N'-ジフェニルヒドラジン ヒドラゾベンゼンともいう。無色の結晶。アゾベンゼンの還元で得られる。酸化されてアゾベンゼンになりやすい。強力な還元剤によってアニリンを生じる。酸の作用でベンジジン転位をおこす。
(2)N,N-ジフェニルヒドラジン N-ニトロソジフェニルアミンの還元で生成する無色の結晶。水には難溶だが、エタノール(エチルアルコール)、エーテルにはよく溶ける。濃硫酸に溶かすと深青色を呈する。塩酸塩は糖と反応させるための試薬となる。
[務台 潔]
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