ベンジジン転位 (ベンジジンてんい)
benzidine rearrangement
ヒドラゾベンゼン((1))は酸の存在下で4,4′-ジアミノビフェニル(ベンジジン,(2))に転位する。

この転位は1863年ドイツの化学者A.W.vonホフマンにより見いだされた。芳香族ヒドラゾ化合物が行うこのような転位を総称してベンジジン転位と呼ぶ。化合物(3)のような4-置換ヒドラゾベンゼンを同様の反応にかけると,4位が置換基Xでブロックされているためセミジン誘導体(4)を与える。

このような反応はベンジジン転位の一種と考えられるが,セミジン転位semidine rearrangementと呼ばれている。これらの転位反応は,一つの分子内で2個の原子または原子団が互いにその位置を交換する分子内転位であり,反応速度はヒドラゾ化合物に対して一次,酸濃度に対して二次となる。すなわち,ヒドラゾベンゼンの2個の窒素上にプロトン化が同時に起こり,N-N結合が開裂しながら,同時に4位と4′位のC-C結合が形成されるものと考えられている。
執筆者:友田 修司
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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ベンジジン転位
ベンジジンテンイ
benzidine rearrangement
芳香族ヒドラゾ化合物を強酸で処理すると,ベンジジンをはじめ種々の転位生成物を生じる.
このような転位反応を総称してベンジジン転位という.ヒドラゾベンゼンの場合の主生成物は,ベンジジン(約70%)とジフェニリン(約30%)であるが,環の構造や置換基によって,ほかの型の転位生成物が主となる場合もある.たとえば,パラ位に-COOH,-SO3Hなどがある場合は,これらの基が脱離してベンジジン化合物になるが,ハロゲン,-OAc,-OR,-NRAc,-NR2,-Rなどは脱離しにくく,ジフェニリン,セミジンなどが生じる.ベンジジン転位は分子内転位反応で,次のように二つのアミノ基がともにプロトン付加された中間体を経てN-N結合が切断し,生成物に至るものと考えられている.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
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ベンジジン転位
べんじじんてんい
benzidine rearrangement
ヒドラゾベンゼン(ジフェニルヒドラジン)が無機酸の作用でベンジジンを生成する反応(図)。この際少量のジフェニリンを副生成物として生じる。この反応のみをジフェニリン反応ということもある。反応は、プロトンH+が塩基性の中心である窒素に結合して始まることは明らかであるが、その後に続く反応機構は不明である。
[務台 潔]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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ベンジジン転位
ベンジジンてんい
benzidine rearrangement
ヒドラゾベンゼン型化合物が強酸の作用によってベンジジン型化合物,ジフェニリン型化合物などに変化するような分子内転位反応をいう。パラ位置に置換基があるとセミジン転位が起る。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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