ジュネーブ国際音楽コンクール(読み)ジュネーブこくさいおんがくコンクール(その他表記)Concours International d'Exécution Musicale Genève

改訂新版 世界大百科事典 の解説

ジュネーブ国際音楽コンクール (ジュネーブこくさいおんがくコンクール)
Concours International d'Exécution Musicale Genève

スイスジュネーブ毎秋行われる音楽コンクール。1939年に国際コンクールとして発足したが,翌年から45年までは第2次世界大戦のため,国内コンクールの形で続けられた。46年に国際コンクールとして復活。以後,ピアノ部門と声楽部門を毎年行うほか,年ごとに他の楽器等の二,三の部門が付け加えられたが,79年からは,常設のピアノ部門と声楽部門が一年交代に変わった。各部門とも入賞は第2位までであるが,審査が厳しいため,しばしば第1位を欠く年がある。過去の第1位受賞者のうち,おもな音楽家にはベネデッティ・ミケランジェリ(1939,ピアノ),グルダFriedrich Gulda(オーストリア,1930-2000)(1946,ピアノ),ニコレAurèle Nicolet(スイス,1926- )(1948,フルート),アンドレMaurice André(フランス,1933- )(1955,トランペット),アルヘリチMartha Argerich(アルゼンチン,1941- )(1957,ピアノ)らがいる。また日本人では,吉原すみれ(1972,打楽器),河野俊子(1973,フルート)がいる。
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日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ジュネーブ国際音楽コンクール
じゅねーぶこくさいおんがくこんくーる
Concours International d'Exécution Musicale, Genève

毎年8月末から9月にかけてスイスのジュネーブで開催される音楽コンクール。1939年に設立。この種のコンクール中もっとも多くの開催回数を誇り、多彩な部門を擁し、参加者も多い。全体で26種目(部門)あり、例年4種目程度のコンクールを行うが、種目は毎年変化する。ベネデッティ・ミケランジェリ、アルヘリッチ、グルダ、ショルティ(以上ピアノ)、シュターダー、ロス・アンヘレス、アメリンク(以上声楽)、ニコレ、デボスト、ピエルロ、ホリガー、オンニュ、アンドレ(以上管楽器各種)らが1位になった。日本人の入賞者は2001年までに34名に上り、最初の入賞者はピアノの田中希代子(1952年に2位)、次はバイオリンの豊田耕児(1958年に2位)であった。1位を得た者には、ビオラ今井信子(1968)、打楽器の吉原すみれ(1972)、フルートの河野俊子(1973)、声楽の番場ちひろ(1985)がいる。

[美山良夫]

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