日本大百科全書(ニッポニカ) 「グルダ」の意味・わかりやすい解説
グルダ
ぐるだ
Friedrich Gulda
(1930―2000)
オーストリアのピアノ奏者、作曲家。ウィーン生まれ。ウィーン国立音楽大学でザイドルホーファーBruno Seidlhofer(1905―1982)に師事、1946年ジュネーブ国際コンクールで第1位となり、以後演奏活動に入った。バッハから現代まで幅広いレパートリーが特徴で、とくにジャズに関心を示し、ジャズを演奏し作曲するなど斬新的なピアノ奏者として高い評価を得て、バドゥラ・スコダ、イエルク・デムスとともに「ウィーンの三羽烏」とよばれた。その根底には、生地ウィーンの楽界の保守的な傾向に飽き足りない反逆の精神が流れ、バッハ、モーツァルト、ベートーベンをしばしば演奏したが、それらは現代的な感性で磨かれ、軽妙で楽しいものとなっていた。1967年(昭和42)初来日、1993年(平成5)に24年ぶりに再来日、演奏はテレビ放映された。
[岩井宏之]