ニコレ(読み)にこれ(その他表記)Aurèle Nicolet

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ニコレ」の意味・わかりやすい解説

ニコレ
にこれ
Aurèle Nicolet
(1926―2016)

スイスフルート奏者。ヌーシャテル生まれ。チューリヒ音楽院でアンドレ・ジョネAndre Jaunet(1911―1988)に、パリ音楽院でマルセル・モイーズ師事した。1948年ジュネーブ国際コンクールで優勝、フルトベングラーに認められ、1950~1959年ベルリンフィルハーモニーの首席フルート奏者。以後、独奏・室内楽活動に転じ、格調の高い解釈・表現力と傑出した技巧で、ニコレ時代を到来せしめた。ソリストとして1968年(昭和43)以来来日を重ねており、バロック古典派の作品で優れた様式感覚を示したのみならず、現代音楽に対する造詣(ぞうけい)の深さでも注目を集めた。ベルリン音楽大学、ついでフライブルク音楽大学教授として後進の育成にも力を注いだ。

[岩井宏之]

『レーグラ・ミュラー編、金昌国訳『フルーティストとの対話』(1992・音楽之友社)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ニコレ」の意味・わかりやすい解説

ニコレ
Nicolet, Aurèle

[生]1926.1.22. ヌーシャテル
スイスのフルート奏者。チューリヒで A.ジョネ,パリで M.モイーズに師事,1948年ジュネーブ国際コンクールで1位を得,50~59年 W.フルトベングラーの要請でベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の首席フルート奏者をつとめた。現在はフライブルク音楽大学の教授。現代屈指のフルートの名手で,特に精神的に深い表現で知られる。

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