山川 世界史小辞典 改訂新版 「ジュネーヴ協定」の解説
ジュネーヴ協定(ジュネーヴきょうてい)
1954年4月から開催されていた,朝鮮統一とインドシナ戦争休戦を討議するジュネーヴ会議で,7月21日に成立したインドシナ戦争停戦の諸協定と最終宣言をさす。ベトナム,カンボジア,ラオスの独立尊重と敵対行動停止に関する3協定が結ばれた。これによって,インドシナ戦争には終止符が打たれ,インドシナ3国の独立はゆるぎないものになったが,新しい問題も生まれた。ベトナムに関する協定では北緯17度線を暫定軍事境界線とし,ベトナム民主共和国の軍隊が北に,フランス軍とバオダイ政権(ベトナム国)軍は南に集結することを定め,会議の最終宣言は2年後の南北統一選挙の実施をうたっていた。しかし,この統一選挙は実施されず,南北分断が固定化されそうになり,ベトナム戦争の原因になった。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報