翻訳|jingoism
偏狭な愛国主義、排外的愛国主義、盲目的主戦論、対外強硬論の意味で用いられる。1877~78年のロシア・トルコ戦争に際し、イギリスはロシアの南下政策を押さえるために、ダーダネルス海峡の入口まで艦隊を出動させた。このときイギリスの対ロシア強硬策を歌った次のような愛国的俗歌が流行した。We don't want to fight, but by Jingo! if we do, we've got the ships, we've got the men, we've got the money, too.――戦(いくさ)をしたいとは思わぬが、バイ・ジンゴ! するならしよう。軍艦もあるし、兵士もいる。それに金も持っている。――ここでby Jingo!というのは、古くからあった奇術師の掛け声Hey Jingo!に由来すると思われる強意的文句で、ここから、イギリスのディズレーリ首相の対外政策の支持者をジンゴjingoとよぶようになり、ジンゴイズムということばが生まれた。なお、フランス語のショービニズムchauvinismもこの語と同義である。
[佐藤信一]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…しかし,事実の指摘にとどまらず,第2に帝国主義という概念は,この支配の対外的な拡張を呼び起こす原因や傾向を示すためにも用いられる。植民地拡大を求める人々の意志,国内で過剰になった資本の投資先を海外に求めること,ジンゴイズムjingoism(排外的愛国主義)のような好戦的な愛国主義などが帝国主義と呼ばれたのはその例である。第3に,さらにこの要因を特定して,国内の社会経済構造が対外的な支配の拡張と関連していると考える論者は,国内体制の構造的な特質を帝国主義と規定する。…
※「ジンゴイズム」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新
10/1 共同通信ニュース用語解説を追加
9/20 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
7/22 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新