翻訳|scale model
scale model
現象を縮小して再現するためにつくられる模型。地質構造の形成過程などのように,対象が巨大な大きさをもち,そのうえ長大な時間を要する自然現象や,数学的な取扱いがきわめて困難であるような複雑な現象の研究に用いられる。定性的なモデルと定量的なモデルとがあるが,モデル実験の結果から実際の対象に生ずるはず(または生じたはず)の現象を数量的にも正しく推測しようとする場合には,相似条件を満足するようにモデルの物理的諸量が縮小されていなければならない。スケールモデルによる地質構造の研究には,古くは有名なB.Willis(1893)のアパラチア山脈の褶曲構造などがあるが,1937年にK.Hubbertが相似条件の考えを導入するまでは,単に幾何学的な形態の類似のみが問題とされていた。50年代以降,M.V.Gzovskiiをはじめ旧ソ連の研究者たちによって相似条件の再検討と,これに適したモデル物質の開発を基礎にして地質構造のスケールモデル化が盛んに行われ,造構的応力場の解析や地質構造形成過程の研究に用いられている。ゼラチンその他の有機樹脂など光弾性物質で作られた透明モデルと,水を含む粘土・ペトラチウムなどでつくられた不透明モデルとがあり,また短時間変形の研究に用いる弾性モデルと長時間変形の研究に用いる塑性モデルとがある。
執筆者:植村 武
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報
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