すすどい

精選版 日本国語大辞典 「すすどい」の意味・読み・例文・類語

すすど・い

〘形口〙 すすど・し 〘形ク〙
① 動作や態度、また、気性や性質などが勢い激しく、機敏である。するどい。
平家(13C前)一一「九郎はすすどきをのこにてさぶらふなれば、大風大浪をもきらはず」
※二人比丘尼色懺悔(1889)〈尾崎紅葉〉怨言語気を鋭(ススド)く詰り懸る」
② 機をみることに俊敏である。用心深くてかしこい。
※史記抄(1477)一五「其少年とは、すすとい様な者ぞ」
※浮世草子・世間胸算用(1692)五「若年の時よりすすどく無用の欲心なり」
③ (②から転じて) 悪賢い。狡猾である。抜け目ない。えげつない。あくどい。こすい。
※本福寺跡書(1560頃)大宮参詣に道幸〈略〉夢相之事「連歌をし、走舞細工を小器用にし、料利包丁をし、万すすどいことをしまわり」
※評判記・満散利久佐(1656)小葭「いはば、はたご屋の女のごとし。すすどき」
[語誌](1)「すす」は動詞「すすむ(進)」の語幹と同根といわれる。本来は①の意味を表わす語であったが、中世には②の意味でも用いられるようになった。
(2)中世後期になると、この「すすどし」の影響によって、形容動詞「するどなり」から形容詞「するどし」が派生、「すすどし」と類義の語として並び用いられるが、時代が下るにつれ、次第に「するどし」の勢力が強くなってゆく。
すすど‐げ
〘形動〙
すすど‐さ
〘名〙

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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