化学辞典 第2版 「ステロイドの生合成」の解説
ステロイドの生合成
ステロイドノセイゴウセイ
biosynthesis of steroid
酢酸から出発してメバロン酸,二リン酸ファルネシルを経てスクアレン,ついで2,3-エポキシスクアレンになる.このものの閉環反応およびメチル基転位反応によって,動物および菌類では一般にラノステロールが,また植物ではシクロアルテノールが生成する.次にステロイド骨格部の3個のメチル基の脱離および二重結合の移動によってコレステロールのようなステロールを生成するが,この間の過程で24位がアルキル化されるとエルゴステロールやシトステロールになる.コレステロールはさらに酸化されるとステロイドサポニンやエクジソンになるが,一方,側鎖の切断反応が起こると胆汁酸(C24),副じん皮質ホルモン(C21),男性ホルモン(C19),および女性ホルモン(C18)などになる.以下にステロイドの生合成の経路を示す.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報