改訂新版 世界大百科事典 「スライド映写機」の意味・わかりやすい解説
スライド映写機 (スライドえいしゃき)
slide projector
スライドプロジェクター,幻灯機ともいう。スライドの画像をスクリーン上に鮮明に投影する装置。家庭用,学術発表用,教育用に広く用いられている。光源用ランプ,コンデンサーレンズ(集光レンズ)と投影レンズの2段階光学系を用いたリレー照明系により,スクリーン面の均一な照明を実現している。光源としてはハロゲン電球が用いられ,コンデンサーレンズによって光源の実像を投影レンズの開口上に作り,同時にスライドの拡大された実像をスクリーン上に作る。この場合,投影レンズの開口上,光源からの光が到達しない部分は役に立たないことになるから,その開口いっぱいに光源のフィラメント像が満たすように調整することが必要である。スライドは明るく照明されることが必要であるが,加熱され温度が上昇することは避けなければならないので,コンデンサーレンズとともに赤外線遮断フィルターが組み込まれ,また光源ランプの背後の反射鏡は可視光線を反射し赤外線を透過する,いわゆるコールドミラーを用い,さらに光源部を強制空冷するのが一般的である。スクリーン上のピント合せおよびスライド送りがリモートコントロール化されているものが多く,ピント合せが自動化されたいわゆるオートフォーカス方式のものもある。テープレコーダーに連動し,あるいはカセットテープレコーダーを内蔵し,音声に連動してスライド送りを行うものもある。
執筆者:小倉 磐夫
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報