改訂新版 世界大百科事典 「スワルト」の意味・わかりやすい解説
スワルト
Hélène Swarth
生没年:1859-1941
オランダの女流詩人。アムステルダムに生まれたが,ブリュッセルでフランス語の教育を受け,はじめはフランス語で詩作する。フランドルの詩人ポル・デ・モントPol de Montの勧めでオランダ語の詩集《孤独の花》(1883),《青い花》(1884)を書き,《新指導》誌に拠る1880年代の文学革新運動の担い手クロースらに称揚され,同誌に寄稿した。《雪片》(1888),《情熱の花》(1891)で,彼女はロマンティックな愛や魂の苦悩をうたったが,年とともに優美な形式と韻律を示している(《10月の木の葉》《青空》)。後期の作品として《さびしい小道》(1915),《新詩集》(1920)がある。
執筆者:栗原 福也
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報