同人雑誌。1925年(大正14)1月~1927年(昭和2)6月、全28冊を数える。創刊時の同人は、梶井(かじい)基次郎、外村(とのむら)茂(のち繁)、中谷孝雄、忽那(くつな)吉之助、小林馨(かおる)、稲森宗太郎。早稲田(わせだ)大学に進んだ歌人稲森は1号のみで去る。他は旧制第三高等学校より東京帝国大学に進んだ人々で、創刊号巻頭の小説が梶井の『檸檬(れもん)』である。のち淀野隆三(よどのりゅうぞう)、飯島正、三好達治、北川冬彦らも参加した。梶井の『城のある町にて』『Kの昇天』『冬の日』などの短編や、三好の代表的な『乳母車』『甃(いし)の上』などの詩もここに掲載された。中野重治(しげはる)、堀辰雄(たつお)らの『驢馬(ろば)』、尾崎一雄(かずお)らの『主潮』などとともに昭和文学の源流を形成する役割を果たす。
[紅野敏郎]
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
…気象学的には人の目に見える範囲を空とよぶ。
[空の形]
われわれは空を地平面で区切られた半球だと思っているが,実は押しつぶした丸天井または鏡餅のように,いくらか扁平に知覚しているらしい。人間が地平線から高度45度と思う所を高度計で測ってみると,35度ぐらいしかない。また太陽や月が地平線に近いときには特に大きく見えることから,人は天空を市女笠(いちめがさ)のような形に知覚していると主張する心理学者もある。…
…三高入学後に中谷孝雄(なかたにたかお),外村繁(とのむらしげる)らと知って文学への関心を深め,頽廃的な生活を送り,肺結核になるが作家への道を志す。1924年東大に入学,翌年中谷,外村らと雑誌《青空》を創刊し,同誌に《檸檬(れもん)》《城のある町にて》(ともに1925)など後に梶井の代表作とされる佳作を発表するが,文壇からは注目されなかった。26年から伊豆の湯ヶ島温泉に転地療養し,その間に《冬の日》(1927),《冬の蠅》(1928)などの自己と外界への認識の深まりを示す作品が書かれた。…
※「青空」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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