スーパーフラット(読み)すーぱーふらっと(その他表記)super flat

知恵蔵 「スーパーフラット」の解説

スーパーフラット

アーティスト村上隆が1990年代後半、伝統的な日本絵画と現代のアニメやゲームを、平面性という観点から結びつけて、自作の表現などを語る際に使い出した造語。2000年に東京で、現代アーティストやアニメクリエーターの作品などを一緒に展示した「スーパーフラット」展を開催。その後、世界を巡回した。同時に刊行された同名書の中で村上は「Super Flat宣言」として「日本は世界の未来かもしれない」とうたい、「社会も風俗芸術も文化も、すべてが超2次元的。この感覚は日本の歴史の水面下を澱みなく流れ続け、特に美術にわかりやすく顕在化してきた。現在では、強力なインターナショナル言語となった日本のスーパーエンターテインメント、ゲームとアニメに特に濃密に存在している」とした。伊藤若冲(じゃくちゅう)や曾我蕭白(しょうはく)といった江戸時代の奇想画家の系譜と、現代日本のアニメクリエーターたちが生み出した国際競争力のあるオタク文化に共通して流れる感性や「肉体感覚」を、すくいあげようという試みともいえる。

(山盛英司 朝日新聞記者 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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