江戸中期の画家。屋号を丹波屋あるいは丹後屋という京都の商家に生まれた。本姓は三浦氏。名は暉雄(てるお)。蕭白のほか蛇足軒,虎道,鬼神斎などの号がある。一説に京狩野の流れをくむ高田敬輔に師事したという。29~30歳ころと35歳ころに伊勢地方を遊歴したらしく,津,松坂の寺院や旧家に障屛画などが残り,奇行と風狂な人となりを伝える逸話が記録されている。また38歳ころの播州滞在を物語る作品が伝存する。当時の京都画壇では,中国の文人画に触発された南画と,写生を取り入れた平明な作品を描く円山派とが台頭して,狩野派など既成の流派に対抗していた。これら新興の絵画と比べると,曾我派の末裔を自称し中国の故事人物など伝統的な主題を多く描いた蕭白には保守的な側面もあるが,荒々しい筆致の水墨画や色彩のコントラストを強調した極彩色の作品は,主観と個性を前面に押し出したエキセントリックな表現にあふれている。伊藤若冲とならんで前衛的で個性的な表現を開拓し,鬼才を発揮した画家である。代表作に《群仙図屛風》,《商山四皓図屛風》(ボストン美術館),《寒山拾得図》(京都興聖寺)がある。また興聖寺には蕭白と肉親の墓がある。
執筆者:鈴木 廣之
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(佐藤康宏)
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…画風は雄大で,山水花鳥の大作を残し,狩野,長谷川,海北,雲谷の各派と並び称される。(3)江戸中期の曾我蕭白とその一派 画風的に直庵,あるいは特に二直庵の誇張をまねるところがあり,蕭白は自ら蛇足10世を称したが,今のところ文献的には以上の曾我派との直接的な関連はない。【中島 純司】。…
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