南北両極にある土地の帰属を決定すべき基準として提唱された主義で、極を頂点とし、二つの子午線と一つの緯度線とによって囲まれたセクター、すなわち地表上の球面三角形の全域にわたる領土権が、当然にセクター設定国に属するという主張である。20世紀の初め、極地の領有が問題となった際、国際法上、無主地を取得するための先占の規則は、温暖な地に関するものであって、寒冷な極地に適用することは不可能ないし不適当だという理由で、唱えられた。北極では旧ソ連とカナダが、南極ではイギリスなど7か国がこの主義に基づいてセクターを設定した。しかし、二つの大陸が極点を囲んでいる北極と、大陸そのものが極点を中心に存在する南極とでは、セクターの設定の仕方も、その正当性の根拠も異なっている。実際においても、アメリカなどが反対しており、この主義の有効性が一般に承認されたとはいえない。
[太寿堂鼎]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…こうした背景のもとに,1908年にイギリスが南極の一部地域の領有を主張したのを最初として,ニュージーランド,オーストラリア,フランス,ノルウェー,チリ,アルゼンチンが相次いで領有を主張した。これら7ヵ国はいわゆるセクター主義を唱えて,自国による発見や探検などを理由として,南極点を頂点として二つの子午線で挟まれる扇形地域(セクター)の領有を主張した。しかし,子午線の決め方がまちまちなために,地域によっては各国の領有の主張が競合し,紛争が発生したところもある。…
…
【天文学の北極】
天体の自転軸が天体の表面と交わった点の一つ。地球の北極,火星の北極,月の北極などという。自転軸が天体の表面と交わる点は二つあるが,その点から周極星の日周運動を見た場合に,反時計回りに見えるほうをその天体の北極,時計回りに見えるほうを南極という。 地球の自転軸を無限に延長して天球と交わらせた2点のうち,北側の点を〈天の北極〉という。赤緯+90゜の点に当たる。地球の自転軸が歳差や章動,極運動などにより空間に対して変動するため,恒星に対する天の北極の位置は変化する。…
※「セクター主義」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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