セグロウミヘビ(読み)せぐろうみへび(その他表記)yellow-bellied sea snake

日本大百科全書(ニッポニカ) 「セグロウミヘビ」の意味・わかりやすい解説

セグロウミヘビ
せぐろうみへび / 背黒海蛇
yellow-bellied sea snake
[学] Pelamis platurus

爬虫(はちゅう)綱有鱗(ゆうりん)目コブラ科のヘビ。同科ウミヘビ亜科に属する海洋性の毒ヘビ。遊泳力が優れウミヘビ類ではもっとも広範囲に分布し、太平洋インド洋に広く及んでいる。全長70~110センチメートル。日本沿岸でも各地で採集され、出雲(いずも)地方では本種を「竜神さま」として神前に奉納し、家庭の神棚にも祀(まつ)る。

[松井孝爾]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「セグロウミヘビ」の意味・わかりやすい解説

セグロウミヘビ
Pelamis platurus; pelagic sea snake

トカゲ目コブラ科。体長 60~80cm。体の背面黒色,腹面は黄色であるが,色彩斑紋の様子に変異が大きい。腹面の鱗は退化して陸上を歩くのに役立たず,尾が鰭状に変形している。海洋での生活に最もよく適応したヘビで,繁殖時にも上陸することはない。卵胎生。溝のある毒牙をもち,神経毒を出す。太平洋とインド洋の暖海域に広く分布し,暖流に乗って日本内地の沿岸にもよく現れる。

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世界大百科事典(旧版)内のセグロウミヘビの言及

【ウミヘビ(海蛇)】より

…海洋生活に適応した形態で,頭部は小さく,胴は後方ほど側扁して尾はひれ状となる。鼻孔は頭頂部に開口し,腹板は退化して幅狭く,セグロウミヘビPelamis platurus(全長1m)(イラスト)のようにほとんど他の体鱗と大きさが変わらない種類もある。セグロウミヘビは海洋生活にもっとも適応した1種で,遊泳力が優れ,東アフリカ沿岸からメキシコ太平洋岸まで広範囲に分布している。…

※「セグロウミヘビ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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