ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「セスナ」の意味・わかりやすい解説
セスナ
Cessna, Clyde Vernon
[没]1954.11.20. ラゴ近郊,カンザス
アメリカ合衆国の飛行家,航空機製造者。片持ち翼,V型尾翼の考案者。モデル 180シリーズをはじめとするセスナの飛行機は,簡潔な構造で操縦しやすく,救難機や,ブッシュ飛行機と呼ばれる滑走路以外に離着陸できる小型機として,高い人気を博した。セスナは,農場労働,探鉱,脱穀機操縦,自動車の販売などに携わっていたが,オクラホマ州で曲芸飛行を見たのをきっかけに,パイロットになることを決意した。ニューヨーク市ブロンクスの飛行機工場で2ヵ月働いたあとオクラホマに戻り,1911年に最初の自作飛行機を飛ばした。 1917年に空冷6気筒エンジンの単葉機を製造,1920年代に,実業家で飛行愛好家のビクター・ルーズとともにセスナ・ルーズ・エアクラフトを設立した。セスナは 1927年に会社を買い取ったが,大不況のさなかの 1931~34年に会社を閉じ,1934年に引退した。再建されたセスナ・エアクラフトは,のちに世界最大の自家用機メーカーの一つとなった。
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