セリバシオガマ(読み)セリバシオガマ(その他表記)Pedicularis keiskei

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「セリバシオガマ」の意味・わかりやすい解説

セリバシオガマ(芹葉塩竃)
セリバシオガマ
Pedicularis keiskei

ゴマノハグサ科半寄生多年草。中央・南アルプス八ヶ岳秩父山地など,中部地方の亜高山帯の針葉樹林内に生える。地下茎は短く地をはい,数本の細い茎が立上がり高さ 20~40cmになる。葉は短柄で対生し,薄質,無毛。葉身は羽状全裂し,裂片はさらに羽状に深く切込み,小裂片にとがった鋸歯がある。7~8月,上部葉腋に花を開く。萼は中央で深裂し,花冠は緑白色,二唇形で,下唇は広く開き先端が3裂し,上唇はかぶと形で先端が細くとがる。おしべは4本で上唇内にある。日本の特産種で,遠縁のものが中国西部,ヒマラヤにある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「セリバシオガマ」の意味・わかりやすい解説

セリバシオガマ
せりばしおがま / 芹葉塩竈
[学] Pedicularis keiskei Fr. et Sav.

ゴマノハグサ科(APG分類:ハマウツボ科)の半寄生の多年草。根際で分枝し、高さ25~35センチメートル。葉は対生し、羽状の細い裂片に裂ける。夏、茎の上部の葉腋(ようえき)ごとに淡緑白色の唇形花を開く。上唇はくちばし状に細くとがる。南アルプスを中心として八ヶ岳(やつがたけ)、秩父(ちちぶ)山地などの亜高山針葉樹林下に生える。

山崎 敬 2021年9月17日]


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世界大百科事典(旧版)内のセリバシオガマの言及

【シオガマギク(塩竈菊)】より

…日本には15種あり,6系統の群が認められる。花冠の先が細くとがる群にセリバシオガマ節,シオガマギク節,ヨツバシオガマ節がある。セリバシオガマ節は葉が上部まで対生し,本州中部の亜高山帯に生えるセリバシオガマP.keiskei Fr.et Sav.がある。…

※「セリバシオガマ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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