ゼフィルス(読み)ぜふぃるす

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ゼフィルス」の意味・わかりやすい解説

ゼフィルス
ぜふぃるす

昆虫綱鱗翅(りんし)目シジミチョウ科ミドリシジミ亜科ミドリシジミ族Thecliniの俗称。ゼフィルスZephyrusという属名は、現在では分類学上Thecla属の同物異名として破棄されているが、長い間ミドリシジミ族の属名として世界的に使用されてきた関係もあり、またミドリシジミ族(現在では多数の属に分割されている)全体を表現する用語として便利なために一般によく使用される。日本産は13属24種、シジミチョウ科としては大形の部類に入り、その色彩斑紋(はんもん)に変化が多く、また美麗種を含むので、この仲間の愛好者は多い。ゼフィルスの主産地は東アジアからヒマラヤにかけての温帯(一部暖帯)で、ヨーロッパ3種、北アメリカ2種というようにほかの地域では日本に比べてはるかに種類が少ない。

白水 隆]

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