ゼフィルス(読み)ぜふぃるす

デジタル大辞泉 「ゼフィルス」の意味・読み・例文・類語

ゼフィルス(〈ラテン〉Zephyrus)

ゼピュロス
シジミチョウ科のミドリシジミ類のこと。はねの色が緑・青色などで金属光沢があり、美しいものが多い。

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精選版 日本国語大辞典 「ゼフィルス」の意味・読み・例文・類語

ゼフィルス

  1. 〘 名詞 〙 ( [ラテン語] zephyrus ) シジミチョウ科に属するチョウのうちミドリシジミ類の総称。一般に美しいチョウで、はねの表が緑色から青色の金属色に輝き、銀白色橙黄色の種類もあって愛好者が多い。幼虫はブナ科植物の葉を食べ、枝や梢に生みつけられた卵を集めて飼育もされる。ヒマラヤから中国に多く、約一〇〇種類あり、日本にも二四種類が分布している。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ゼフィルス」の意味・わかりやすい解説

ゼフィルス
ぜふぃるす

昆虫綱鱗翅(りんし)目シジミチョウ科ミドリシジミ亜科ミドリシジミ族Thecliniの俗称。ゼフィルスZephyrusという属名は、現在では分類学上Thecla属の同物異名として破棄されているが、長い間ミドリシジミ族の属名として世界的に使用されてきた関係もあり、またミドリシジミ族(現在では多数の属に分割されている)全体を表現する用語として便利なために一般によく使用される。日本産は13属24種、シジミチョウ科としては大形の部類に入り、その色彩斑紋(はんもん)に変化が多く、また美麗種を含むので、この仲間の愛好者は多い。ゼフィルスの主産地は東アジアからヒマラヤにかけての温帯(一部暖帯)で、ヨーロッパ3種、北アメリカ2種というようにほかの地域では日本に比べてはるかに種類が少ない。

白水 隆]

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世界大百科事典(旧版)内のゼフィルスの言及

【ミドリシジミ】より

…鱗翅目シジミチョウ科ミドリシジミ族Thecliniに属する昆虫の総称,またはそのうちの1種を指す。シジミチョウ科はヒマラヤから中国,日本にかけての暖温帯および冷温帯の森林地帯に栄えており,かつてはゼフィルスZephyrusという一つの属にまとめられていたが,今日ではいくつかの属に細分されている。 日本にはウラキンシジミ,チョウセンアカシジミアカシジミ(イラスト),ウラナミアカシジミ,オナガシジミ,ミドリシジミなど約25種が知られている。…

※「ゼフィルス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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