ゼルナー(読み)ぜるなー(その他表記)Gustav Rudolf Sellner

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ゼルナー」の意味・わかりやすい解説

ゼルナー
ぜるなー
Gustav Rudolf Sellner
(1905―1990)

ドイツの演出家。バイエルンに生まれ、ミュンヘン大学を卒業。俳優として劇界に入ったが、しだいに演出面に転じ、表現主義の洗礼を受けて、1930年代にはブレヒトとギリシア悲劇の研究に情熱を傾けた。51年ダルムシュタット州立劇場の総監督となるや、画家や装置家と組んで象徴主義演劇を発表、いわゆる「ダルムシュタット様式」を確立した。59年シェーンベルクのオペラ『モーゼとアロン』でベルリンにデビューしてセンセーションを巻き起こし、61年にはベルリン・ドイツ・オペラの総監督に就任した。彼の演出は、演劇からみてオペラでなければできない特色を十二分に発揮したもので、現代芸術としてのオペラの創造に一つのエポックを形づくったものといえる。63年にはベルリン・ドイツ・オペラを率いて初来日し、日生劇場開場記念としてベートーベンの『フィデリオ』やモーツァルトの『フィガロの結婚』を、66年にはワーグナーの『さまよえるオランダ人』など、70年には『モーゼとアロン』などを上演した。日本のオペラ界はゼルナー演出に多くの影響を受けると同時に、彼もまた日本を愛し、76年にはベルリン・ドイツ・オペラで黛敏郎作曲の『金閣寺』を演出、世界初演を果たした。最後の演出は1979年ベルディの『ナブッコ』であった。

[寺崎裕則]

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