アロン(読み)あろん(英語表記)Yigal Allon

デジタル大辞泉 「アロン」の意味・読み・例文・類語

アロン(Aaron)

旧約聖書に登場する人物。レビ人モーセの兄。預言者としてモーセを助け、イスラエルの民をエジプトから解放。最初の大祭司となり、モーセとともに民を約束の地カナンへ導くが、自身はヨルダン川を渡ることなく死んだ。
[補説]アロンはモーセの良き協力者として伝えられているが、モーセ五書民数記には、預言者の姉ミリアムに同調し、異邦人を妻にしたモーセを非難する一幕も記されている。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アロン」の意味・わかりやすい解説

アロン
Aron, Raymond(-Claude-Ferdinand)

[生]1905.3.14. パリ
[没]1983.10.17. パリ
フランスの政治・社会学者,ジャーナリスト。エコール・ノルマル・シュペリュール (高等師範学校) 卒業。第2次世界大戦中はロンドンでドゴール元帥の「自由フランス」 La France libreに参加。同名誌の主筆となった。戦後サルトルらとともに雑誌『タン・モデルヌ』 Les Temps modernesを創刊 (1945) 。『コンバ』 Combatなど左翼雑誌に健筆をふるったが,のちサルトルと決別,反マルクス主義傾向を強めた。 1955年パリ大学教授となって社会学を講じ,マルクス主義的経済史観の批判,工業化社会の分析などに関する著書多数を著わした。『フィガロ』紙論説委員。 1970年コレージュ・ド・フランス教授。主著『現代ドイツ社会学』 La Sociologie allemande contemporaine (1935) ,『知識人たちの阿片』L'Opium des intellectuels (1955) 。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「アロン」の意味・わかりやすい解説

アロン(Yigal Allon)
あろん
Yigal Allon
(1918―1980)

イスラエルの軍人、政治家。下ガリラヤ地方に生まれる。少年のころからユダヤ人自衛組織ハガナに参加。1942年にはそのゲリラ隊パルマッハの創設者の一人となった。1948年の独立戦争では南部戦線の司令官として活躍、1950年に少将で退役した。1955年労働統一党から国会議員に当選。1961年以降、歴代内閣の閣僚を務めた。1967年の六日戦争後、中東和平に関する「アロン計画」の提唱者として、またアフダト・ハボダ、マパイ、ラフィの3党の連合による労働党結成の立役者として有名。メイア亡きあとの首相候補であったが、1980年2月に急死した。

[伊能武次]

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改訂新版 世界大百科事典 「アロン」の意味・わかりやすい解説

アロン
Aaron

モーセ時代のイスラエル民族の祭司。《出エジプト記》そのほかでの伝承によれば,アロンはモーセの兄として,同胞救出荒野の民アマレクとの戦いにおいてモーセに協力し,神の山シナイ山に同道するが,他面,姉の女預言者ミリアムとともにモーセに反抗したという記述もあり,人物像が一定しない。アロンは捕囚期以降にユダヤ教団で最も勢力をえたアロン系祭司氏族の始祖として,伝説的にモーセと結合されたものと思われる。
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百科事典マイペディア 「アロン」の意味・わかりやすい解説

アロン

フランスの社会学者,ジャーナリスト。M.ウェーバーの社会理論,歴史理論に影響を受け,これをフランスに紹介するとともに,自身精緻な産業社会論を展開し,産業化はテクノロジー,分業システム,管理や支配に独特の様式をもたらし,その傾向は資本主義社会のみならず,ソ連社会をも覆っているとした。この産業化の観点からマルクス主義実証主義の批判を展開した。1947年以来《フィガロ》の編集に参画,長く論説を担当した。

アロン

旧約聖書中の人名。イスラエルの祭司,モーセの兄。レビ人(びと)。《出エジプト記》ほかでモーセの協力者,最初の大祭司として現れる。その杖を蛇に変じるなどの奇跡で有名。

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デジタル大辞泉プラス 「アロン」の解説

アロン

円谷プロダクションによる特撮ドラマシリーズ「ウルトラシリーズ」に登場する怪獣。豪力怪獣。初登場作品は『ウルトラセブン』。身長45メートル、体重1万3千トン。ウルトラセブンの能力を調査するため、ガッツ星人が送り込んだ。様々な環境でセブンと対決した。

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367日誕生日大事典 「アロン」の解説

アロン

生年月日:1918年10月10日
イスラエルの軍人・政治家
1980年没

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