タイムシェアリングシステム(読み)たいむしぇありんぐしすてむ(その他表記)time sharing system

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

タイムシェアリングシステム
たいむしぇありんぐしすてむ
time sharing system

コンピュータシステムの操作方式の一つ。1台のコンピュータをそれぞれの端末から使用している多数のユーザー(使用者)に、各人は自分ひとりでコンピュータを独占して使用しているかのように見せかける方式。略してTSSともいう。最初のシステムは、1961年にマサチューセッツ工科大学MIT)で開発されたCTSS(Compatible Time-Sharing System)である。初期のシステムでは、ブラウン管を用いた表示装置キーボードからなる装置を端末として用いた。中央のコンピュータシステムの規模に応じて、数台から数十台、場合によっては数百台もの端末がコンピュータと結合されていて、端末のユーザーは同時にコンピュータを使用することができる。ユーザーは、各自が自分専用のコンピュータをもっている気分でコンピュータを使用できるが、コンピュータでは、一時には1人のユーザーの仕事しか処理しない。1人のユーザーをごくわずかの時間だけサービスすると次のユーザーに移り、同時に使用しているユーザーをひととおりまんべんなくサービスすると、ふたたび最初のユーザーに戻ってサービスをする。端末のユーザーはキーボードから入力していたり、考えたりしているので、同時にたくさんのユーザーをサービスできる。

[土居範久]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のタイムシェアリングシステムの言及

【オペレーティングシステム】より

…これをマルチタスキングと呼ぶ。ユーザーから,マルチタスキングが最もわかりやすい形で見えるのは,タイムシェアリングシステムである。これは1台のコンピューターにたくさんのユーザーが端末装置を通してつながり,どのユーザーにも仮想的にそのコンピューターを占有しているように見せかけたシステムである。…

※「タイムシェアリングシステム」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

企業の退職を希望する従業員本人に代わって退職に必要な手続きを代行するサービス。依頼者と会社の間に入ることで円滑な退職をサポートするとともに、会社への連絡などを代わりに行うことで依頼者の心理的負担を軽減...

退職代行の用語解説を読む