タイ民主党(読み)タイみんしゅとう(英語表記)Phak Prachatiphat

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「タイ民主党」の意味・わかりやすい解説

タイ民主党
タイみんしゅとう
Phak Prachatiphat

1955年に結成されたタイで最大規模の政党。穏健な社会主義を主張し,政策としては国王を国家元首とする民主政体の支持,民主的社会主義の促進,地方開発,社会的不正義の排除,諸外国との友好などをあげている。 75年1月の総選挙で第1党となり,保守系右派の社会農本党とともにセニ・プラモート党首を首相とする内閣与党となったが,同年3月6日,下院信任を得られず退陣した。 76年4月の総選挙で再び第1党となり,タイ国民党,社会正義党,社会国家主義党との連立で再びセニ内閣を組織した。しかしセニ政権はアメリカ軍撤退とベトナムとの関係正常化を進めたため国内の反共右派=軍部反発を招き,同年9月 23日,いったん総辞職。ただちに第3次セニ内閣を組閣したが,同 10月6日の軍部クーデターで同政権は崩壊,同党も軍部の解散命令で活動を停止された。 80年3月に首相に就任したプレム・チンスラノン陸軍司令官は軍人出身であったが,民主化路線を強力に推進した。 86年7月に行われた総選挙では第1党に躍進したが,88年に党内の反党首グループが脱党し,党勢を低下させた。 92年9月の総選挙では反軍事政権の追い風を受けて第1党に返り咲き,チュアン・リークパイ党首を首相とする連立内閣が成立したが,党内抗争により 95年5月には解散に追込まれた。 97年 11月には野党第1党であったタイ民主党に組閣命令が下り,チュアン党首が首相に就任した。

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