タックアンダー(読み)たっくあんだー(その他表記)tuck under

日本大百科全書(ニッポニカ) 「タックアンダー」の意味・わかりやすい解説

タックアンダー
たっくあんだー
tuck under

航空機音速の80~90%(マッハ数0.8~0.9程度)の速度で飛行しているとき、ある速度を超えると、それまでとは逆に機首下げの状態に入る現象をいう。翼の上面に生じている衝撃波が強くなって翼の風圧中心が後方へ移動することや、衝撃波によって翼上面の気流剥離(はくり)したり、揚力係数減少によって、水平尾翼へ向かって吹き下ろしている気流の角度が急激に変化することによって発生する。対策としては自動操縦装置や専用の矯正装置を働かせることや、設計の際にあらかじめ水平尾翼を吹き下ろしの影響を受けない位置におく、あるいは高速飛行でも衝撃波が強くならないような翼型を採用する、などの方法がある。

[落合一夫]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android