タノム・キッチカチョーン（読み）たのむきっちかちょーん（その他表記）Thanom Kittikachorn

日本大百科全書(ニッポニカ)

タノム・キッチカチョーン
たのむきっちかちょーん
Thanom Kittikachorn
（1911―2004）

タイの軍人、政治家。1929年陸軍士官学校卒業。1957年ピブン内閣の国防相。同年サリット元帥のクーデターで首相。翌1958年辞職。1963年サリット死去で首相に復帰、盟友プラパートとともに軍事独裁体制を確立。対米依存下の経済発展を目ざし、1968年恒久憲法を制定したが、政情不安となったため1971年クーデターを起こして軍政に復帰、国政評議会議長に就任。1973年「十月十四日事件」を頂点とする学生の反軍政闘争に直面して国外逃亡、民主化時代に道を譲る。1976年「一僧侶(そうりょ)として」帰国、同年10月の軍事クーデターを誘発した。

［黒柳米司］

[参照項目] | サリット | ピブン

出典　小学館　日本大百科全書(ニッポニカ)

20世紀西洋人名事典

タノム・キッチカチョーン
Thanom Kittikachorn

1911.8.11 -
タイの軍人,政治家。
元・タイ首相。
タク県生まれ。
1957年ピーブン内閣の国防相となるが、サリット元帥のクーデターで首相。翌年クーデターで辞職するが、’63年首相の座に復帰。プラパートと共に、軍事独裁体制を確立する。’68年恒久憲法を制定。’71年クーデターを起こし、国政評議会議長となる。翌年国防相と外相を兼務するが、’73年学生クーデターで国外追放を受ける。’76年「一僧侶として」帰国し、軍事クーデターを誘発した。

出典　日外アソシエーツ「20世紀西洋人名事典」（1995年刊）