ダイアド(その他表記)dyad

翻訳|dyad

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ダイアド」の意味・わかりやすい解説

ダイアド
dyad

ギブズ積ともいう。3次元の2つのベクトル x=(x1x2x3) と y=(y1y2y3) の成分の間でつくられる 9 個の積
によって定義された量 (行列) を,xy のダイアドという。これは xy の成分による直積であるから,1つのクロネッカー積と考えられる。ギブズ積の名は,物理数学者 J.W.ギブズの名にちなんでつけられたものである。

ダイアド
dyad

社会学用語。二者関係あるいは相互関係の意。人間の広義の行動のなかには個体内的ないしは個人完結的な行動のほかに,自分以外のものに意味のある,影響を与える,あるいは反応を引起すような行動もある。二者関係はそうした行動を媒介に結ばれるもので,社会関係,人間関係を,また組織や集団や社会をつくる最も原初的,基本的な要素である。ダイアドを形式的に類型化すると,結合的なものと分離的なものとに二大別され,前者には接近適応同化統合が含まれ,後者には競争対立,闘争が含まれる。しかし,ダイアド関係を分析するには形式的な側面だけを取上げても不十分で,その形式が含む内容,機能の分析も必要である。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android