ダーンデルス(英語表記)Herman Willem Daendels

改訂新版 世界大百科事典 「ダーンデルス」の意味・わかりやすい解説

ダーンデルス
Herman Willem Daendels
生没年:1762-1818

オランダ軍人で東インド総督。若いころ弁護士として共和主義の愛国党の指導者となり,フランス革命政府軍のオランダ侵入(1793)を助け,1795年のバタビア共和国成立に当たって陸軍中将となった。ナポレオン1世の即位後,元帥に昇進し,1807年にオランダ領東インド総督に任命されて翌年着任した。当時ジャワはイギリス海軍の包囲を受け,危機的状況にあったので,彼は独裁的権力を振るってジャワ防衛につとめ,軍備の強化やジャワ縦貫道路建設を実施した。また土着君主の権力を極力削減したので各方面の恨みを買い,また財政上も莫大な欠損となったので,ナポレオン1世は11年に彼を罷免した。彼はナポレオンのロシア遠征にも従軍したが,ナポレオン没落後は再びオランダ王国に仕え,15年西アフリカのオランダ植民地であったギニア海岸の総督に任命され,18年に死去した。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ダーンデルス」の意味・わかりやすい解説

ダーンデルス
Daendels, Herman Willem

[生]1762.10.21. ハッテム
[没]1818.5.2. エルミナ
オランダの軍人で,東インド総督 (在任 1808~11) 。フランス革命軍のオランダ侵入に協力してナポレオンに認められ,1807年元帥に昇進し,オランダ領東インドの総督に任じられた。4年の在職期間中,イギリスの来攻にそなえてジャワの軍備を強化し,また現地君主の権力を押えて住民の負担の軽減をはかったが,領地実情を無視した性急な改革が内外の非難招き,ついに本国に召喚された。オランダの王制復帰後,15年西アフリカのオランダ領の総督となり,同地で死去。

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367日誕生日大事典 「ダーンデルス」の解説

ダーンデルス

生年月日:1762年10月21日
オランダの軍人,東インド総督(在職1808〜11)
1818年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のダーンデルスの言及

【バタビア共和国】より

…不穏な情勢を恐れた総督ウィレム5世(在位1751‐95)はハーグから退去したが,87年2万のプロイセン軍の来援で復位し,愛国党の多くはフランスに亡命した。フランス革命が勃発し,南ネーデルラントを占領したフランス軍とフランスに亡命していた愛国党の指導者ダーンデルスHerman Willem Daendels(1762‐1818)の率いるバタビア軍団がオランダに進軍すると,愛国党は諸都市でいっせいに蜂起し,ホラント,ユトレヒトの州議会は降伏した。95年ウィレム5世はイギリスに亡命し,ホラント州議会では市民・農民代表が都市貴族を追放し,フランスにならって〈人権宣言〉を発し,身分制議会,総督,国家首席などを廃止した。…

【オランダ領東インド】より

…フランス革命の5年後の1794年,フランス革命軍はオランダ本土を占領し,オランダは十数年間バタビア共和国となり,旧体制の象徴とも言うべきオランダ東インド会社は1799年に正式に解散した。 バタビア共和国は次第にフランスの支配下に入り,ナポレオンに心酔する軍人ダーンデルスが総督に任命され,フランス最大の敵国イギリスのインドネシア進出に備えた。イギリスはこのころマラッカを占領していたが,イギリス東インド会社職員ラッフルズは強力にジャワ進攻を提案し,ついに1811‐16年ジャワを占領した。…

【バタビア共和国】より

…不穏な情勢を恐れた総督ウィレム5世(在位1751‐95)はハーグから退去したが,87年2万のプロイセン軍の来援で復位し,愛国党の多くはフランスに亡命した。フランス革命が勃発し,南ネーデルラントを占領したフランス軍とフランスに亡命していた愛国党の指導者ダーンデルスHerman Willem Daendels(1762‐1818)の率いるバタビア軍団がオランダに進軍すると,愛国党は諸都市でいっせいに蜂起し,ホラント,ユトレヒトの州議会は降伏した。95年ウィレム5世はイギリスに亡命し,ホラント州議会では市民・農民代表が都市貴族を追放し,フランスにならって〈人権宣言〉を発し,身分制議会,総督,国家首席などを廃止した。…

※「ダーンデルス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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