化学辞典 第2版 「チアミン二リン酸」の解説
チアミン二リン酸
チアミンニリンサン
thiamine diphosphate
C12H19ClN4O7P2S(460.76).略称TPP.チアミンピロリン酸,コカルボキシラーゼともいう.化学的には,チアミンのポリリン酸によるリン酸化で得られるが,生化学的には,ATPとチアミンキナーゼによりリン酸化され,チアミンの80% は二リン酸エステルとして存在する.無色の柱状晶.分解点240~244 ℃.λmax 233,265 nm(ε×10-311.2,8.2,pH 7.3).水に易溶,エタノールに難溶,エーテル,アセトンに不溶.糖代謝に関与するピルビン酸デヒドロゲナーゼ,ピルビン酸デカルボキシラーゼ,α-ケト酸デヒドロゲナーゼなどの補酵素として動物,植物界に広く分布している.それらの酵素作用については,詳しく解明されている.LD50 360 mg/kg(マウス,静注)[CAS 154-87-0]
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報