インド北西部にある中央政府直轄地区。パンジャーブ州およびハリアナ州の州都。デリーの北約250キロメートルに位置する。面積114平方キロメートル、人口80万8796(2001)、105万5450(2011センサス)。元来パンジャーブ地方の中心地はラホールであったが、1947年のインド・パキスタン分離独立の際、ラホールはパキスタン領となった。このためインド側のパンジャーブ州に新しい州都としてつくられた計画都市がチャンディガルである。設計はフランスの著名な建築家ル・コルビュジエに依頼した。町は碁盤割りで広い街路と公園が特色である。州庁舎をはじめ州議会、パンジャーブ大学など、他のインドの都市とはまったく異なった斬新(ざんしん)なデザインの建物が多い。このように近代的な都市だが、半面インドの現実から遊離しているとの批判もある。住居地区はすべてコミュニティ計画にのっとっており、インドの在来都市に多いカースト別、人種別、宗教別、出身地別の住み分けはできるだけ排除し、混在させるように努力している。しかし、この町の建設にあたった多くの労働者がそのまま住み着いたバスティー(スラム)が、市街の縁辺や空き地に発生したり、また近代的なショッピング・センターよりも、インド在来のバザール(露天市)が繁盛したりするなど、ヨーロッパ的な都市景観や住み方も、しだいにインド本来の様式に変わりつつある。
[北川建次]
ル・コルビュジエによるチャンディガルの都市計画(キャピトル・コンプレックス)は、2016年、「ル・コルビュジエの建築作品:近代建築運動への顕著な貢献」の構成資産の一つとして、ユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界遺産の文化遺産に登録された(世界文化遺産)。
[編集部 2017年2月16日]
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