チューリングテスト(読み)ちゅーりんぐてすと(英語表記)Turing test

日本大百科全書(ニッポニカ) 「チューリングテスト」の意味・わかりやすい解説

チューリングテスト
ちゅーりんぐてすと
Turing test

コンピュータが登場してまもないころ、多くの人が機械知能をもつことはありえないと考えていた。これに反論するためにイギリスの数学者チューリングが提案した思考実験がこれである。

 その実験では、まずテレタイプを2台用意する。1台はほかのテレタイプにつながっており、ほかの人間が座っている。もう1台はコンピュータに接続されていて、このコンピュータのプログラムは人間の反応をシミュレートするようにできている。そして、この2台のテレタイプのうち、どちらが人間でどちらがコンピュータかわからなければ、このコンピュータプログラムは知能をもっているとしてよいというものである。知能の有無をその表面的動作だけで判断しようとする立場である。

 チューリングテストでは人間はどんな質問をしてもよい。詩をつくらせてもよいし、文学作品の感想を聞いてもよい。プログラムのほうも、人間をまねるためにあらゆる努力をする。たとえば計算問題に関しては、時間をかけたり、ときどき計算を間違えたりするわけである。

 ありとあらゆることが可能であるが、テレタイプの交信に限定されているところがみそである。そうでなければ身体的な見かけや動き方で、どちらが人間か、すぐにわかってしまうからである。

[中島秀之 2019年8月20日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「チューリングテスト」の意味・わかりやすい解説

チューリングテスト

「テューリングテスト」のページをご覧ください。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報