コンピュータが登場してまもないころ、多くの人が機械が知能をもつことはありえないと考えていた。これに反論するためにイギリスの数学者チューリングが提案した思考実験がこれである。
その実験では、まずテレタイプを2台用意する。1台はほかのテレタイプにつながっており、ほかの人間が座っている。もう1台はコンピュータに接続されていて、このコンピュータのプログラムは人間の反応をシミュレートするようにできている。そして、この2台のテレタイプのうち、どちらが人間でどちらがコンピュータかわからなければ、このコンピュータプログラムは知能をもっているとしてよいというものである。知能の有無をその表面的動作だけで判断しようとする立場である。
チューリングテストでは人間はどんな質問をしてもよい。詩をつくらせてもよいし、文学作品の感想を聞いてもよい。プログラムのほうも、人間をまねるためにあらゆる努力をする。たとえば計算問題に関しては、時間をかけたり、ときどき計算を間違えたりするわけである。
ありとあらゆることが可能であるが、テレタイプの交信に限定されているところがみそである。そうでなければ身体的な見かけや動き方で、どちらが人間か、すぐにわかってしまうからである。
[中島秀之 2019年8月20日]
「テューリングテスト」のページをご覧ください。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
《〈和〉doctor+yellow》新幹線の区間を走行しながら線路状態などを点検する車両。監視カメラやレーザー式センサーを備え、時速250キロ以上で走行することができる。名称は、車体が黄色(イエロー)...
12/17 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
11/21 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新