チョン・ジヨン(読み)チョン・ジヨン(その他表記)Chǒng Ji-yong

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「チョン・ジヨン」の意味・わかりやすい解説

チョン・ジヨン(鄭芝溶)
チョン・ジヨン
Chǒng Ji-yong

[生]光武6(1902).5.15. 忠清北道,沃川
[没]1950?. ピョンヤン?
朝鮮,大韓民国詩人。1930年代に小説家のイ・テジュン(李泰俊)と並ぶ文壇の旗手格となり,韓国現代詩の先駆者といわれる。1918年ソウル(当時京城)の徽文高等普通学校に入学し,在学中に小説を発表したり同人誌を発刊したりした。1923~26年同志社大学予科で学んだのち,同大学の英文科に入学し,キリスト教への信仰を深めつつ本格的に文壇活動を開始。1929年の卒業後はソウルの母校で 1945年まで英語教師を務めた。その間,抒情詩やモダニズム詩の実践で詩壇をリードし,詩集鄭芝溶詩集』(1935),『白鹿潭』(1941)を発表。また文芸誌の編集にも携わり,イ・サン(李箱)およびパク・トゥジン(朴斗鎮)などのちの「青鹿派」(共同詩集『青鹿集』にちなむ)と呼ばれる詩人ら新人の発掘でも功績があった。1945~48年梨花女子専門学校(のちに梨花女子大学)教授。1950年の朝鮮戦争勃発後に収監され,さらに朝鮮民主主義人民共和国に連行されて行方不明となったが,1950年末頃にピョンヤン(平壌)で死去したといわれる。1980年代,「越北」したとみられるなどした文人が韓国で名誉回復され,作品解禁になったのを機に再評価されるようになり,1989年にはその功績をたたえてチョン・ジヨン文学賞が創設された。そのほか詩集に『芝溶詩選』(1946),散文集に『文学読本』(1949),『散文』(1949)。

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チョン・ジヨン

鄭芝溶

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