日本大百科全書(ニッポニカ) 「ツェトキン」の意味・わかりやすい解説
ツェトキン
つぇときん
Clara Zetkin
(1857―1933)
ドイツの政治家。ザクセンのウィーデラウに教師の娘として生まれる。ライプツィヒに移住後、女性教師養成所で勉学中、ロシアの社会主義者オシップ・ツェトキンOssip Zetkin(1852―1889)と知り合い、のち結婚。1878年ドイツ社会民主党に入党し、1891年女性運動の雑誌『グライヒハイト』(平等)の発行に携わり、社会主義的女性運動の指導者となった。この間、党の統制委員、教育委員などを務めたが、左翼急進派として第一次世界大戦中も反戦活動を継続、ローザ・ルクセンブルクらとスパルタクス団を組織し、1917年に独立社会民主党に参加した。1919年ドイツ共産党に移り、1920年以来、国会議員となり、党中央委員、コミンテルン執行委員としても活動、1932年8月には最年長議員として国会でナチ党を激しく攻撃した。1933年6月20日、モスクワ近郊アルハンゲリスコエで死去した。
[松 俊夫]