日本大百科全書(ニッポニカ) 「ツル目」の意味・わかりやすい解説
ツル目
つるもく
鳥綱の1目。この目Gruiformesはツル、クイナ、ノガンなどの仲間を含み、通常クイナモドキ科Mesitornithidae、ミフウズラ科Turnicidae、クビワミフウズラ科Pedionomidae、ツル科Gruidae、ツルモドキ科Aramidae、ラッパチョウ科Psophiidae、クイナ科Rallidae、ヒレアシ科Heliornithidae、カグー科Rhynochetidae、ジャノメドリ科Eurypygidae、ノガンモドキ科Cariamidae、ノガン科Otididaeなどの科によって構成される。これらの諸科の鳥は一般に地上生活者で、地上で営巣、採食する。多くのものは水辺にすんでいるが、ミフウズラ、クビワミフウズラ、ノガンモドキ、ノガンなどは草原や耕地にすみ、クイナモドキは低木林、ラッパチョウは森林の鳥である。ツル目の鳥は、口蓋(こうがい)骨が分顎(ぶんがく)型、雛(ひな)が早成性、そのほか二、三の解剖学的特徴があるが、ミフウズラ科の口蓋骨は雀顎(じゃくがく)型ないし半雀顎型、カグーやジャノメドリの雛は半晩成性といったように多くの例外があり、ツル目を特徴づける特性は非常に乏しい。一方、ツル目とチドリ目との区別はきわめてあいまいで、たとえばチドリ目のレンカク科やタマシギ科は、しばしばツル目に類縁があるとされる。
[森岡弘之]