ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「テアイテトス」の意味・わかりやすい解説
テアイテトス
Theaetetus
[没]前369. アテネ
古代ギリシアの数学者。ギリシアの幾何学の発展に大きな影響を与えた。ソクラテスの弟子で,キュレネのテオドロスとともに学んだ。一時期ヘラクレアで教えていた。プラトンの対話篇のうち,『テアイテトス』と『ソピステス』に主要人物として登場する。前者は,前369年のアテネとコリンソスの戦いで死亡したことを含め,テアイテトスの生涯についてのおもな情報源となっている。テアイテトスは,ユークリッドが最終的に『原本』として体系化した数学に,重要な貢献を行なった。そのおもな業績は無理数に関するもので,『原本』第10巻に述べられている。また,5種類のプラトンの立体(正四面体,正六面体,正八面体,正十二面体,正二十面体。→正多面体)を球に内接させる方法を発見し,これは『原本』第13巻で扱われている。さらに比例に関する一般理論を考案したともいわれている。比例はピタゴラス学派による数値に基づく理論のあとで体系化されたが,『原本』第5巻に述べられているクニドスのエウドクソスの理論に先立つものである。
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