クニドス(読み)くにどす(英語表記)Cnidos

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クニドス」の意味・わかりやすい解説

クニドス
Cnidus

アナトリア沿岸の南西部,エーゲ海に突出するクリオ岬に栄えた古代ギリシアの商業都市。ドーリス人の 6都市(ドリアン・ヘクサポリス)の一つ。ペルシア戦争後,デロス同盟に加入,前412年に離反。前3世紀頃にはプトレマイオス朝の支配下に入り,その後ローマの属州アシアの自治都市(ムニキピウム)となった。医学や天文学が栄え,彫刻家プラクシテレスの『クニドスアフロディテ』が有名。アレクサンドリア灯台を建設したソーストラトスの出身地。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「クニドス」の意味・わかりやすい解説

クニドス
くにどす
Cnidos

小アジア、カリア地方の南岸に位置した古代のギリシア都市。紀元前900年ごろスパルタ人の子孫が建設したといわれる。「ドーリス人六ポリス」the Dorian Hexapolisという連合体の一成員であった。早くからエジプトとの交易を通して富を蓄積し、シチリア島の北沖リパラ(リパリ島)を植民。前546年以降ペルシアに従属したが、ペルシア戦争後はデロス同盟に加わった。前3世紀にプトレマイオス朝、前2世紀にはロードスに支配され、前129年以後ローマ支配下で自由都市を宣せられた。現トルコ領。

[古川堅治]

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