ディスカウント・ハウス(英語表記)discount house

翻訳|discount house

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ディスカウント・ハウス」の意味・わかりやすい解説

ディスカウント・ハウス
discount house

割引業者。 (1) 耐久消費財を中心に取扱い,顧客サービスを最小にし,低マージン,高回転率の営業方針をとることによって,それだけ低価格で販売することを目的とした小売形態をいう。これが発展して非耐久消費財をも取扱うようになったものがディスカウント・ストアである。 (2) 割引商社ともいう。ロンドン金融市場で銀行などからコールマネーとして借入れたごく短期の資金で,政府・地方当局・企業・商社・銀行などの振出した手形を割引き,イングランド銀行市中銀行の間に介在して市場の円滑化に貢献している業者。コールマネーは銀行などの預金支払準備となる一方,買取った手形はおおむね期日まで保有される。そのための資金が不足のときは,ディスカウント・ハウスは公定歩合の最低でイングランド銀行から借入れることができる。そのかわりにすべての財務省証券を買取ることと,資産の半分以上を国庫債務とすることが義務づけられている。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ディスカウント・ハウス」の意味・わかりやすい解説

ディスカウント・ハウス
でぃすかうんとはうす
discount house

第二次世界大戦後のアメリカで普及した小売形態の一つで、日本ではディスカウント・ストアと呼称する。これとは別に、ロンドンの手形割引業者(ビル・ブローカー)をいう場合もある。

[編集部]

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改訂新版 世界大百科事典 「ディスカウント・ハウス」の意味・わかりやすい解説

ディスカウント・ハウス
discount house

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のディスカウント・ハウスの言及

【ディスカウント・ストア】より

…第2次大戦後のアメリカで急速に普及した小売形態の日本での呼称で,アメリカではディスカウント・ハウス(ロンドンの手形割引業者とは異なる)と呼ばれている。1930年代の〈公正取引法〉の施行以後出現したが,組織的に発展するのは戦後である。…

【ビル・ブローカー】より

…手形や短期国債の売買,もしくは売買の仲介を行う業者をいう。実際にはロンドンの手形割引商会すなわちディスカウント・ハウス(手形割引商社もしくは手形割引業者と訳されることもある)を指すことが多い。ブローカーという言葉は元来,たんなる売買仲介業者を指すが,歴史上の事情から,自己の責任で手形を買う割引商会をビル・ブローカーと呼ぶことになった。…

【ロンドン金融市場】より

… ロンドン金融市場は短期市場(貨幣市場money market)と長期市場(資本市場capital market)とから成るが,前者が中心で,よく整備されていることが特徴的である。貨幣市場の主軸は手形割引市場であり,その担い手はまずディスカウント・ハウス(割引商会)である。彼らは19世紀初頭のビル・ブローカー(手形仲買人)に起源をもち,初めは単なる手形のブローカーであったが,1830年代ころから自己の勘定で内外手形を買い入れるディーラーに成長し,割引商会と呼ばれるようになった。…

※「ディスカウント・ハウス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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